リース会計⑥(セールアンドリースバック)

企業会計

セールアンドリースバックとは、企業(売手である借手)が、資産を他の企業(買手である貸手)に売却した後に、当該資産を買手である貸手からリースバックする取引を指します。

IFRSでは、売手である借手と買手である貸手の双方において、当該売却取引が譲渡に該当するか否かの判定のような具体的な会計処理の実施にあたっては、リース会計基準の「IFRS16.98~103」などを参照する必要があります。

資産の譲渡が、IFRSの収益認識基準(「IFRS15 顧客との契約から生じる収益」)の要求事項を満たす場合には“売却”に該当します。

売却に該当する場合の、売手と貸手の会計処理のポイントは以下となります。

<売却に該当する場合の会計処理のポイント>
1) 売手である借手
リースバックから生じた使用権資産を、資産の従前の帳簿価額のうち売手である借手が保持した使用権に係る部分で測定し、譲渡損益はリースバックされなかった部分についてのみ認識します。

2)買手である貸手
資産の購入を該当するIFRSを適用して会計処理し、リースバックする際のリース取引については「IFRS16 リース」の貸手側への要求事項に沿って会計処理することになります。

資産の譲渡が、IFRSの収益認識基準(「IFRS15 顧客との契約から生じる収益」)の要求事項を満たさない場合には”売却”に該当しません。

この場合は、売手である借手は、譲渡の会計処理は実施せず(=譲渡した資産を引き続き認識する)に、譲渡収入については金融取引として会計処理します。

金融取引となる場合の、売手と貸手の会計処理のポイントは以下となります。

<金融取引となる場合の会計処理のポイント>
1)売手である借手
譲渡した資産を引き続きそのまま認識するとともに、譲渡収入と同額の金融負債(「IFRS9 金融商品」にて規定)を認識します。

2)買手である貸手
対象資産の購入の会計処理は実施せず、譲渡者(=売手である借手)に支払った金額を金融資産(「IFRS9 金融商品」にて規定)として認識します。

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