借入コストの資産計上(IAS23)

企業会計

借入コストの資産計上に関連する用語の意義は以下のとおりです。

<用語の意義>
●借入コスト
借入コストとは、企業の資金の借入れに関連して発生する利息及びその他のコストを指します。

●適格資産
適格資産とは、意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を要する資産を指します。

適格資産の取得、建設又は生産に直接起因する借入コストは、資産の取得原価の一部を構成するため、適格資産に該当する固定資産の取得に伴い発生した利息に重要性があれば取得原価に算入する必要があります。

借入コストの資産計上額の計算例と仕訳は以下のとおりです。

●計算前提
建物建設にあたって以下の支出と借入を実施した前提で考えていきます。

<支出明細>

支出日金額
5/13,000
10/115,000
2/115,000

<借入明細>

長期借入金借入金残高利息
 10年・金利8%55,000  4,400 
 5年・金利5%20,000  1,000 
短期借入金6,000  500 
81,000 ①5,900 ②


●資産化率
上記の計算前提を基に資産化率を計算すると以下のようになります。

・資産化率=5,900(②)÷81,000(①)=7.28%(③)


●資産計上額の算定
上記の建物取得支出と資産化率を用いて、借入コストの資産計上額を以下のように算定します。

支出額計算式資産計上額
5/1付:3,000 ④④×③(=3,000×7.28%)218
10/1付:15,000 ⑤⑤×③(=15,000×7.28%)1,092
2/1付:15,000 ⑥⑥×③(=15,000×7.28%)1,092
 2,402

●借入コストを資産計上する際の仕訳
借入コストを資産計上する場合、以下のように、借方(Dr.)で発生した支払利息を貸方(Cr.)に計上することで、支払利息の一部を資産(建物)の取得原価に算入する仕訳を記帳することになります。

<借入コスト資産計上時の仕訳>
(Dr.)建物 2,402 //(Cr.)支払利息 2,402

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